Kitachangの日記

どうしようもない文章

毎朝の債権運動を怠るな

「ねえ、あなた13年前にレクサスLS XF30型を私が貸したお金で買ったでしょ、返してよ」

『いや、時効だから』

「はぁ?そういえば14年前にはポルシェのニュー911ターボ買ってあげたわ」

『時効だ』

「15年前にはフェラーリ・スーパーアメリカを」

『時効』

時効とは大変理不尽なものに感じる。返済義務が時間の経過によって消失するのである。時間には俺たちに対してなんの権限があるんだ。そんなことよりこのヒモ男はなんだ。一年ごとに高級車を買って何がしたいのか。

 

時効には『権利の上に眠るものは保護に値しない』という考え方がある。自分の権利を維持するために、必要な努力をするべきだ。さもないと、お前の債権なくなっちゃうぞ。ということである。先ほどの女性は、唐突に昔のことを掘り返し、返金を要求しているように思える。これは良くないということだ。つまり、相手にお金を貸した時は、油断ならない。毎朝、相手の自宅前で朝の債権運動をすることが肝心だ。

 

しかし、この考え方には問題もある。権利の上に眠る自覚がなくても、時効制度を知らなかったことにより、一定の期間を経過してしまったゆえ、返済を要求する権利を取り上げられてしまう場合や、そもそも自分に債権があることを知らない場合である。これの例としては、過払金問題というものがある。

 

『その過払金、取り戻せるかもしれません。』こんなcmに聞き覚えはないだろうか。大量の借金を持ち、長期間経つと、知らぬ間に法律で定められている制限より多くの返済義務を負ってしまうことがある。これを過払金と呼ぶ。借金を持つ人には、この過払金の返済を要求する権利がある。これを時効が来る前に取り戻そう、というのがこのcmの意味である。

 

4年前、そんな過払金のcmを出していた、アディーレ法律事務所が法律違反で捕まったといったことがあった。「ミイラ取りがミイラになった」の現代版のようで、非常に流行らせたい出来事である。『写メる』『タピる』『アディる』。どうだろうか。流行って欲しいな。